アンチエイジング企業健診と運動介入
近年生活習慣病は拡大の一途をたどっています。生活習慣病は中高齢者で多く発症することが知られています。そのため厚生労働省はその予防の目的で、平成20年度より40歳以上74歳未満を対象として特定健診・特定保健指導を開始しました。
生活習慣病の原因は主に過栄養と運動不足を起源とする内臓脂肪の増加と考えられていますが、内臓脂肪の蓄積は中年男性、すなわち働き盛りの世代に多いといわれています。しかし通常は中年では自覚症状がなく、その後高齢になると初めて深刻な疾病を発症します。そのため中年男性の生活習慣病予防は抗加齢医療の面で重要といえます。
しかし、通常の健康診断等では特定健診項目等を検査することが多く、抗加齢指標まで測定することは少ないのが現状です。さらに筋量、骨密度、さらにはホルモンなどの血液性状も含めた指標に与える影響を検討したデータは報告されておらず、身体機能の異常発生箇所は不明です。
加齢には正常な加齢と病的な加齢に大別できますが、若年者では個人差が少なく、中高齢者になると拡大することが報告されています。したがって中年男性において、広範な健康指標の測定、さらにその相互関係に関するデータ蓄積は十分とはいえません。
そこで本研究室では、アンチエイジング企業検診を行い、結果に基づいて施行する生活習慣病予防を目的とした介入が中年男性に及ぼす抗加齢指標への影響について検討していきます。